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『で、なんだったの?』
目の前にあるグラスの滴を
人差し指で触る。
『だからー!!
美樹は美人なのに
もったいない!!て
話をしてたの!!』
私の方に体制を向き直し
グラスを持ちながら
反対の手で私を指差す。
今日の紫苑は酔ってるなー
なんて思いながら
苦笑いをする。
目の前のグラスを一気に飲み
ダン!と音をたてた後
私の両手をつかむ。
『もー!!
美樹は美人なのに
化粧もほとんどしないし
いっつもズボンだし…
もっと自覚もてい!!
ねぇ仁さん!!』
『お、落ち着いて~』
必死になだめる私を見ながら
仁さんは私に向かって
微笑んだ。
『うん。美樹ちゃん
紫苑の言う通りだと
俺は思うよ。』
まさかの言葉をかけられ
より一層戸惑う。
『美樹ちゃんは
なんだかバリアを
張ってるように見える。
自分を着飾らないことで
誰の目にもつかないように
怯えてるような感じかな。』
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