始まり

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ー気のせいじゃないはずだー 「つ、疲れてるのかな」 おかしいおかしいおかしいおかしい。 疲れてるとは前から思っていたけどここまでだったのかな。 ー聞こえてるんだろ?ー 「はっ、まさか霊的な何かなのかも、昔からあったし」 うん。と頷いてもまた話し掛けてくるこの男の人の声。 「誰か、いる?」 恐る恐る、体をこわばらせて聞いてみた。 ーここー とすぐ後ろで声がした。 「!」 すぐに後ろに向くと 「よっ。」 左手を顔の横に上げ、無表情な男が立っていた。 「やっぱり気付いていたんだな」 右目に眼帯。ふわふわした髪。容姿は文句無しのイケメンけど身長は私より少し高いくらい 「おい、女。何故俺が見えてる?」 女呼ばわりですか。 「知りませんよ。そんなこと」 すると男の顔が険しくなった。 「別に死期が近い訳でもねぇしなぁ。何か特別な力でもあんのか?」 は?力?なにそれ知りませんよ! と私は、ぶんぶん首を左右に振って否定をした。 「そぅか。」 と男は考え込む。 「こいつなのか?(ボソッ)」 何か小声で言ったみたいだけど聞きとれずそのままにした。
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