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ゆっくりとナイフを刺すと、感触がフワリとしていて、立ち込める湯気に甘いバニラとバターの香りが混ざって…
ぐぅ〓ぐぅ。
「うわっ!!」
新幹線で食べたはずなのに、もうお腹がアラームを鳴らした。
「フフっ…良かったら味の感想を聞かせてください。近いうちにメニューに加えたいと思ってるので。」
ギャルソンは注いだ珈琲を軽く口に含んでうっすら笑った。
ゴクリ…生唾を飲み込みたらたらとメープルシロップが垂れるパンケーキの切れ端をだらしなく開いた口に頬張った。
「おお…いいたべっぷり。」
「んんん…!!!」
適度な弾力がありながらもふんわりとした歯触り…噛み締める度にバニラとバターの風味が口を極上の空間で犯していく。
「美味しい…こんなパンケーキはじめて!!」
思わず二口目を口に頬張る絵都子を見ながらギャルソンが持っていたカップをソーサーに置いた。
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