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「わかっとるわ!心配せんでええよ。お
土産のそうめんも持ったから。」
そう言って左手に握りしめた重たく紙袋を二重にした土産物を軽く持ち上げた。
「途中、名古屋には寄らんの?」
「寄らんよ。名古屋の道わからんし、母さん迎えに来れんから。」
はぁ、とばぁちゃんがため息をついた。
「そうか…まぁ、気ぃ付けぇな。」
「うん!じゃあ行ってくる。」
港のフェリー乗り場で祖父母と別れ、本州に向けてフェリーに乗り、岡山の宇野から電車に乗り換え岡山へ。
みよしのの祭り寿司を駅で買い、福岡初N700系の東京行きに乗り込んだ。
春先のこの季節は旅行だ帰省だなんかで新幹線は満席。
隣の初老の叔父さんの強烈な鼾にうなされながら、頭痛を感じ始めた頃東京に着いた。
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