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それにしても明るい髪色だ。
「その髪は本物ですか…?」
「アハハハハッ!!俺の頭ハゲだと思われてんの!?君ウケるんだけど!!気に入った。おじょーさんのお名前なあに?」
目をキラキラさせて私に名前を尋ねるお兄さん。
ていうか、地毛なのかを尋ねたかっただけなのに…。
まあいいか。
答えてよいのだろうか。
悪い人ではなさそうだが…。
「白谷雨音…です。」
疑問に思いつつも口は勝手に開いていた。
「じゃあ雨音チャン!!君に訊きたいことがあるんだけどさ、ここでスッゴく目付き悪くて、お兄さんと同じ制服着た黒髪のお兄さん見なかった?俺の連れなんだけどさ、方向音痴なんだよねー!!ウケるでしょ!!」
爆笑しながら尋ねられた人物には心当たりがあった。
「ランドセル取りに…。」
「ラっ!?アハハッ!!空哉が!?ランドセル!!アハハハハッ!!なにそれウケるんだけど!!」
…なにがウケるのだろうか。
もはや私には理解不能だ。
彼はただ私のランドセルを取りに行ってくれただけである。
「横の路地に…「隼人…。てめぇうっせぇんだよ。」」
栗毛のお兄さんが目の前で横に飛んだ。
……いや、黒髪のお兄さんに蹴飛ばされた。
、
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