偶然の出会い

10/17
前へ
/18ページ
次へ
それにしても明るい髪色だ。 「その髪は本物ですか…?」 「アハハハハッ!!俺の頭ハゲだと思われてんの!?君ウケるんだけど!!気に入った。おじょーさんのお名前なあに?」 目をキラキラさせて私に名前を尋ねるお兄さん。 ていうか、地毛なのかを尋ねたかっただけなのに…。 まあいいか。 答えてよいのだろうか。 悪い人ではなさそうだが…。 「白谷雨音…です。」 疑問に思いつつも口は勝手に開いていた。 「じゃあ雨音チャン!!君に訊きたいことがあるんだけどさ、ここでスッゴく目付き悪くて、お兄さんと同じ制服着た黒髪のお兄さん見なかった?俺の連れなんだけどさ、方向音痴なんだよねー!!ウケるでしょ!!」 爆笑しながら尋ねられた人物には心当たりがあった。 「ランドセル取りに…。」 「ラっ!?アハハッ!!空哉が!?ランドセル!!アハハハハッ!!なにそれウケるんだけど!!」 …なにがウケるのだろうか。 もはや私には理解不能だ。 彼はただ私のランドセルを取りに行ってくれただけである。 「横の路地に…「隼人…。てめぇうっせぇんだよ。」」 栗毛のお兄さんが目の前で横に飛んだ。 ……いや、黒髪のお兄さんに蹴飛ばされた。 、
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加