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「誰が方向音痴だ馬鹿隼人。全部聞こえてんだよ馬鹿。」
「馬鹿馬鹿ひどいよ!!本当のこと言っただけなのにさぁっ!!」
「黙れ馬鹿。そしておとなしくしてろ馬鹿。」
「なんかもう文末が馬鹿になってんじゃん!!ていうか空哉…ランドセル、死ぬほど似合わないし!!ウケる!!」
黒髪のお兄さんはランドセルを手に持ってくれていたのだが、あまりに似合わなかったらしい。
会話についていけずに、ボーッと2人を見ていると、いきなり目の前が真っ赤になった。
「…?」
「ほら。これだろ、お前のランドセル。」
どうやらランドセルが突き出されたせいだったらしい。
「ありがとうございます…。」
ゆっくりとそれを受け取ると、背負わずに下に置いて、ハンカチを探す。
その間にも栗毛のお兄さんが「まじめっずらしー!!」と言って、黒髪のお兄さんに足蹴にされていた。
「ちょっとだけ、ここで待っててください。」
ハンカチを見つけた私は、黒髪のお兄さんにそう告げて、返事も聞かずに水場を探しに行った。
確か、近くに公園があったはずだ。
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