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さて、時間は少し巻き戻って…。
この日、ある幼い少女…白谷雨音は焦っていた。
数時間前から図書室で静かに本を読んでいた雨音は、いつしか時の流れを忘れ、本にのめりこんでしまっていた。
先程本を読みおわり、外を見てみると大分日が落ちていた。
こっそりと持っている携帯を確認すれば、もう5時45分である。
この季節の門限は6時だ。
いつものペースでいけば確実に6時に家に帰り着くのは不可能だろう。
そう思った雨音は考えるやいなや、すぐにランドセルを抱えて、急いで学校を出た。
…といっても廊下を走るなという教えをきちんと守っている雨音は、少し速めに歩いただけだったが。
これが少女にとっての転機の始まりであった。
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