第1章 ~殺人鬼の噂~

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 ホテルの中は少し古い感じを漂わせる雰囲気だ。因みに私達以外の宿泊客は居ないらしく今日から2泊3日、私達の貸し切り状態となる。  しかし何故こんな山奥に、ホテルなどあるのか私は疑問に思う。こんな山奥まで泊まりにくる人など居るのだろうか?  因みに何故、こんな山奥のホテルに泊まることになったかというと、先生の話によれば今の季節どこもホテルが予約で一杯だったらしく、このホテルしか空いていなかったとか。  私達生徒はロビーに一旦集合をして先生から本日の予定を聞いた後、各自の部屋へと向かう。因みに私は美紀と恵実、それに咲と同じ部屋だ。  部屋へと着いた私達は中に入り荷物を置き、この後の夕食まで時間があるので4人で、これからの予定を話し始める。  まず最初に口を開いたのは美紀だ。 「なぁなぁ! まず明日はどないする!? うち関東は初めてやから楽しみやわぁ!」  美紀は目を光らせながら楽しそうに話す。言うまでもないが、美紀は関西出身の人で今年の春に転校してきた人だ。  すると今度は恵実が、本を読みながら喋り始める。 「私は、この地域限定の本がほしいから書店に行きたい」  恵実は無表情で本を読みながら話す。恵実は本が好きで、授業中以外はいつも本を読んでいる。また、滅多に感情を表に出さない人だ。  そして私も、自分の行きたい場所を喋り始める。 「私はねぇ……この地域限定の抹茶シリーズが飲みたい! 皆にも奢ってあげるね!」 「「え゛っ!?」」  私がそう言うと、咲と美紀は明らか嫌そうな顔をして声を上げる。抹茶シリーズとは、抹茶にコーラやカルピス等を混ぜた飲み物の事で私は抹茶シリーズが大好きで、いつも毎日飲んでおり今日も家から抹茶ココアを数本、持ってきている。
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