18人が本棚に入れています
本棚に追加
「二人とも、どうしたの?」
「あっ……いや、私は遠慮しとくよ!」
「うっ、ウチも! そんな気を遣わんでもええで!」
私が美紀と咲にどうしたのか聞くと、二人とも私の奢りを断ってしまう。
抹茶シリーズ美味しいのになぁ……二人とも、どうして断るんだろう?
私がそんなことを考えていると、美紀が咲に話しかける。
「なぁ咲は何処に行きたいん?」
「私? そうだなぁ……私は愛する優衣と一緒なら何処でもいいよ!」
咲はそう言いながら私に抱きついてくる。咲は私に、入学式から恋愛感情を持っているようで別に抱きつく等はいいが、たまに度を過ぎることがあるのだ。
すると、そんな私達を見て美紀が笑いながら喋り出す。
「ほんま、咲は優衣にぞっこんやなぁ」
「いい迷惑だよ……美紀に恵実、お風呂の時はお願いね!」
「了解」
「任しときぃ! そんかわり、明日は何か奢ってなぁ!」
私が二人にお願いすると恵実は一言だけ言い、美紀は右手の親指を立てながら明日、何か奢るようにお願いする。
「だから抹茶シリーズ奢るって!」
「いや……それ以外で頼むわ……」
私が美紀に先ほど話した抹茶シリーズを奢ると言ったら、やはり美紀に断られてしまう。そんな私達のやり取りを見て咲は笑い、恵実も優しく微笑む。
その時、部屋のドアから誰かがノックする音が聞こえてきたので、私は立ち上がりドアを開くと先生が居て私達に話しかける。
「そろそろ夕食だから食堂に集合しろよ」
「「「はーい」」」
私と咲と美紀が返事をすると先生は別の部屋へと行き、他の生徒を呼びに向かい、私達は部屋から出て食堂へと向かう。
ていうか、何で恵実だけ返事をしなかったんだろう……
最初のコメントを投稿しよう!