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「そう、その不良達も最初はそう思っていた。だから物音が聞こえてくる留置所に向かったらしい……すると、その物音はネズミや猫が走っている様な音じゃなかったの」
「じゃあ、どんな物音だったのよ……」
流石の咲も少し恐くなって来たのか、息を呑みながら聞くと、恵実は続きを話し始める。
「その物音はね、まるで何かとてつもない力で鉄を叩いている音だったの。更に留置所の中は、音がする度に少し小刻みに揺れていたみたい」
「とてつもない力で鉄を叩いているような音って、一体――――……」
すっかり怯えてしまっている私はそう呟き、咲の体にいつの間にか抱き着いており、美紀と咲の表情も何だか怯えている感じだ……
「何だか恐くなった不良達は直ぐにその場を去り後日、ネットで警察署の事を調べてみると殺人鬼が閉じ込められてると知り、不良達はすっかりその殺人鬼が生きていると信じてしまい、やがて町中にその噂が広まった……」
どうやら話は終わったみたい……何故だかは知らないが、凄く怖かった……どうして、こんなにも怖かったんだろう?
すると恵実は何かを思い出した様で、私達に話しかける。
「そうそう。その警察署、このホテルのすぐ近くにあるよ」
恵実は、その警察署のある場所を指差しながら言うと、美紀が突然立ち上がる。
「ホンマかいな!? よし、明日みんなでそこいかへん!? 明日は自由行動やし!」
美紀は笑顔で私達に言うが、私は少し怖かったので反対する。
「えー止めようよぉ、怖そうだし……それに明日は抹茶シリーズを探しに――――……」
私が美紀に話している途中で、咲と恵実が立ち上がり私の言葉を遮りながら喋り出す。
「行くー!! なんか面白そうだし! ちょっとした肝試しってやつ?」
「私も興味あるし」
咲と恵実も美紀の意見に賛同したので、私も仕方なく賛同する。どうやら行かざる負えないみたいだが、私は何だが心配でしょうがない……
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