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それにしても、ここの中は更にいろんな所が壊れていたりしてるなぁ……でも、誰かが来ていたことは確かみたい。
床にはお菓子の袋とかビールの缶とか捨ててあるし……
「優衣!? 前!!!!」
「えっ? きゃっ!? なっ、何これ……」
咲が呼んだので前を見てみると、目の前に大きな穴が空いていたのだ。私は腰が抜けたのか、その場に座り込む。
あっ、危なかった……後少し咲に言われるのが遅かったら、穴に落ちていたよ……
「優衣! 大丈夫かいな!?」
「うん大丈夫。でも、何でこんな大きな穴が?」
「うわぁ……深そ~。落ちたら終わりだね」
私の隣に座り穴を覗き込みながら不思議そうに言う咲。すると、恵実も咲の目の前に座り込み、穴を覗き込むとボソッと喋り始める。
「やっぱり、噂は本当だったんだ」
「えっ? 噂って?」
咲が恵実の方を向きながら聞くと、恵実は話を始める。
「実はもう一つ、警察署の噂があって、とある不良達がここに肝試ししてる時に物音がして逃げたって話したよね?」
「うん、ほんま情けないなぁ」
「それはあくまでもネット内で広まった一般的な噂なんだけど、ごく一部の人、まぁオカルトマニアの人達の間のみ広まった噂なんだけど……」
あれ? 何で恵実話やめちゃったんだろ? それに何だか表情も暗い気がする……
「皆、この話を聞いたらこの先どうするか、ちゃんと決めて」
「えっ? うっ、うん……」
「そんなのはいいからー! 早く続き続きー!」
「そーや! 勿体ぶるらず話してやぁ!」
全く……美紀と咲はホントに子供みたいなんだから、って美紀はいつの間に私の隣にいたの!? でも、恵実の表情が何だかいつになく真剣な表情……
そして恵実は少し間を置くと、再び話を始める。
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