第2章 ~警察署~

4/13
前へ
/37ページ
次へ
「その噂ってのが……まず、物音の他に人にうめき声がうっすらと聞こえたらしいの」 「うっ、うめき声……?」  それって……もしかして、あの噂の殺人鬼の……? 「そして、その後に床が崩れて……不良の1人が落ちた……」 「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」」」  私達3人は同時に声を上げて驚く。  だって、その穴ってさっき私が落ちそうになった穴の事……だよね?  だけど私達は恵実が話す、更に衝撃な事を聞き、驚いてしまう。 「それだけじゃない……その後に直ぐに他の人達は助けようとしたらしいんだけど――――……」 「その、穴に落ちた男性の苦しそうな悲鳴と今度ははっきりと、気味悪いうめき声、聞こえてきたの……」 「えっ――――……あっ……」  私は声にならないような音を出して、唖然としてしまい、咲と美紀も驚いた表情をしている。 「うっ、嘘でしょ……?」 「はっ、ははは何や優衣も咲も! 単なる噂にびっ、ビビりよって……」 「そっ、そういう美紀こそビビってるくせに!」  やっぱり流石の咲と美紀も恐いみたい……ていうか、そんな事があったなんて……  だけど恵実は更に衝撃的な事を話す。 「そして、その後に穴の中から落ちた男性の……血塗れになった見るも無惨な、原型すら留めていない死体が出てきたらしい……」 「「「――――!!!!」」」  私達3人は絶句してしまい顔が青ざめていく。  うっ、嘘……じっ、じゃあもし噂が全部本当なら――――…… 「これを踏まえて噂が全部本当なら……」 「殺人鬼はこの穴の真下に……いる」  恵実が話を終わると、暫く誰も喋らず沈黙が続く。そして、その沈黙を最初に破ったのは咲だ。 「やっ、やっぱり嘘だよそんなの! だってさ、死体なんてないじゃん! 警察も誰も信じなかったんでしょ恵実!?」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加