18人が本棚に入れています
本棚に追加
「その噂ってのが……まず、物音の他に人にうめき声がうっすらと聞こえたらしいの」
「うっ、うめき声……?」
それって……もしかして、あの噂の殺人鬼の……?
「そして、その後に床が崩れて……不良の1人が落ちた……」
「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」」」
私達3人は同時に声を上げて驚く。
だって、その穴ってさっき私が落ちそうになった穴の事……だよね?
だけど私達は恵実が話す、更に衝撃な事を聞き、驚いてしまう。
「それだけじゃない……その後に直ぐに他の人達は助けようとしたらしいんだけど――――……」
「その、穴に落ちた男性の苦しそうな悲鳴と今度ははっきりと、気味悪いうめき声、聞こえてきたの……」
「えっ――――……あっ……」
私は声にならないような音を出して、唖然としてしまい、咲と美紀も驚いた表情をしている。
「うっ、嘘でしょ……?」
「はっ、ははは何や優衣も咲も! 単なる噂にびっ、ビビりよって……」
「そっ、そういう美紀こそビビってるくせに!」
やっぱり流石の咲と美紀も恐いみたい……ていうか、そんな事があったなんて……
だけど恵実は更に衝撃的な事を話す。
「そして、その後に穴の中から落ちた男性の……血塗れになった見るも無惨な、原型すら留めていない死体が出てきたらしい……」
「「「――――!!!!」」」
私達3人は絶句してしまい顔が青ざめていく。
うっ、嘘……じっ、じゃあもし噂が全部本当なら――――……
「これを踏まえて噂が全部本当なら……」
「殺人鬼はこの穴の真下に……いる」
恵実が話を終わると、暫く誰も喋らず沈黙が続く。そして、その沈黙を最初に破ったのは咲だ。
「やっ、やっぱり嘘だよそんなの! だってさ、死体なんてないじゃん! 警察も誰も信じなかったんでしょ恵実!?」
最初のコメントを投稿しよう!