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扉は頑丈そうで南京錠で閉めてあり、表面には『立ち入り禁止』と書かれている。
すると恵実が扉に近づき南京錠を触り、外れないのを確認すると首を横に振る。
「ねぇ美紀、本当にここなの?」
「絶対にここや! 鍵もかけてあるし、それに『立ち入り禁止』って書かれてるんやで!? 間違いないやろ!」
美紀、自信満々に応えるけど、貴女のその自信は一体どこから来てるんだろうと、いつも不思議に思うんですが。
「しっかしなぁ、鍵が掛かっとるから開けられそうにあらへんなぁ。何かいい方法はあらへんやろか……」
「う~ん……」
美紀の隣で一緒に考えていると突然、美紀と私の間を石がものすごい速さで飛んできて、そのまま扉の鍵に命中して鍵は鈍い音とともに壊れる。
……ていうか、えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
「ちょ!? 何いきなり!? 石ぃ!?」
「危なぁぁぁ!? 石投げたの誰や!?」
「え? 私だけど、いやー上手く当たってよかったよ!」
美紀と私は声を上げながら石が飛んで来た方を振り向いてみると、咲が手をあげながら応えている。
ていうか咲は美紀か私に当たってたら、どうしていたつもりだったんだろう……もし当たったら、怪我じゃ済まさなかったと思うんですが。
「じゃ、入ろう!」
咲ったら、その事に気付いていないのか、私達に謝らないで扉を開けて中に入っていっちゃたし。
「待てやぁ咲ぃ! うちらに何か言うことがあるやろ!」
「優衣、いこ」
二人が中に入ると美紀の怒鳴り声が聞こえてきたけど、恵実が呼んでいるしあまり気にしないで、早く中に入ろう。
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