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中に入ると下へと続く階段があるけど、下は暗く先が見えなくて本当に何か幽霊が出そうな雰囲気だなぁ……
「しもたぁ! ライト持ってきてへんわぁ!」
美紀は自分のバックをあさりながら言うが突然、光が私達の前を照らしたので後ろを見てみると、恵実がライトを持っているのだ。
「こんなこともあろうかと、持ってきてよかった」
「さっすが恵実! ほな行くで!」
恵実、準備がいいなぁ……
恵実を先頭に、私達は階段を降り始めると辺り一面、真っ暗闇で唯一恵実が持っているライトが暗闇を照らす。
私達は足元に気を付けながら階段をゆっくり降りるが、私は足元を滑らせてしまい尻餅をついてしまう。
「きゃっ!?」
「優衣、大丈夫!?」
「うっ、うん何とか……いたた」
私が悲鳴を上げると咲が心配してくれたので、私はお尻を擦りながらも大丈夫だと応えて立ち上がり、私達は再び階段をゆっくり降りていく。
そういえば何で、咲はさっき鍵を壊すことが出来たんだろ?
「ねぇ咲、何でさっき鍵を壊すことが出来たの?」
「ん~? まぁ壊れたのは偶然だけど、当てるのは簡単だったよ。何せ私はソフトボール部のピッチャーだからね!」
そっか、そういえば咲はソフトボール部のピッチャーで、しかもエースたっだっけ。でも咲、親指を立てながら言うけど、だからって鍵を壊すことが出来るのかなぁ?
「鍵が壊れたのは、もうすでに壊れかけてたから」
「えっ?」
まるで私の疑問がわかっているかのように、恵実が説明を始める。
「調べたら、あの鍵はもうすでに壊れかけていたんだけど、私じゃ壊すことができなかったの」
「そうだったんだ……」
恵実の話を聞いて私は納得をして、その後は皆ずっと無言で階段を降り続ける――――……
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