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それから更に暫く降りていくけど、一向に着く気配がないなぁ……
「あーもう! いつになったら下に着くんねん!?」
あぁ、もう美紀が立ち止まって座り込んで文句をいい始めちゃったよ。
「確かに、もう結構降りたのにまだ着かないね……」
うわぁ……もう上は完全に真っ暗闇で入口が見えなくなっているよ……本当に一体いつになったら着くんだろ……
すると恵実が、階段の下をライトで照らしながら話しかけてくる。
「皆、下を見て」
恵実に言われるままに私達は階段の下を見てみると、真っ直ぐ通路が続いていて、それを見た美紀は突然元気になって階段を降り始める。
「ほら皆、何してんねん!? はよう行くでー!?」
「現金な奴……」
「まぁまぁ……」
咲は美紀の姿を見ながら文句を言うけど、私が咲をなだめると私達も階段を降りていく。
階段を降りて通路へと辿り着いた私達だけど、やはり辺り一面真っ暗で何も見えなくて恵実が周りをライトで照らしながら何かを探すと、通路の左側にレバーみたいなのがあるのを見つける。
でも、そのレバー漫画とかじゃないけど罠とかじゃないよね? 変に考えすぎかなぁ――――……
「何だろう……」
「まぁ、取りあえず上げ てみたらわかるやろ!」
私がレバーを指差しながら言うと、美紀が何の躊躇もなくレバーを上に上げてしまい、私と咲が思わず叫び声をあげてしまう。
「「あーーーーーー!!??」」
「なっ、何やねん二人とも!? 別に減るもんやないやろ?」
美紀は何やら驚いた表情をしながら言うところをみると、別に罠だとかも思っていなかったみたい。するとレバーを上げた瞬間、辺り一面明るくなり私達は目を瞑り再び目を開けると――――……
「うわぁ……何これ……」
私は自分が今居る場所を見て唖然とする。そこは辺り一面、鉄の壁に覆われた広い部屋のようで、さっきのレバーは照明をつける為の電源スイッチだったみたい。
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