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それから1年が過ぎたある日――――……
とある山奥にある警察署に1台の輸送車が到着した。中から警官3人が出てきて、後ろの扉を開けると鎖で体を縛られた男性が横たわっている。
「よし、運ぶぞ。せーの!」
警官2人は男性を担架に乗せて持ち上げると、車の中へと出して警察署へと入っていく。だが中は警察署だというのに警官や刑事は一人のおらず、静まり返っていた。
2人は男性を留置所へと運ぶと一旦、地面へと置き扉がある牢の中へと入り鍵を開けた。そして再び男性を持ち上げて、2人は扉の中へと入っていき1人が残り外から鍵を閉めた。
暫く階段を降りると広い場所に着き、そこには1人の刑事がいた。
「こいつが?」
「はい、そうです」
刑事は男性を見つめて……
「…………許してくれ……」
そう、呟いた――――……
「鎖を外してやれ」
「はい」
刑事がそう指示すると、警官2人は担架を下ろして男性に巻かれていた鎖を外した。その瞬間、男性が目を覚まし服の中に隠していた大鉈を出して、刑事に斬りつけた。
「ぐっ!?」
「ふざけんな……俺には……やらなきゃいけないことがあるんだ!」
「待て! くそ、追うぞ!」
男性はそういうと階段へと逃げ去り、警官2人が後を追った。
「はぁはぁ、くそ……開かねぇ!」
男性は扉の前へと辿り着いたが、鍵が掛かっているため開けることが出来ずにいた。しびれを切らした男性は扉を力強く蹴飛ばし、無理矢理開けようとしたが、その時――――……
「ぐっ……!? く……そぅ……」
背中に痛みを感じた男性は、そのまま地面へと倒れてしまった。どうやら警官が追い付き麻酔弾を撃ったようだ。
「手間とらせやがって……運ぶぞ」
警官2人は男性を持ち上げて再び下へと降りていった――――……
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