第一章 念珠との出会い

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全く子供にとっては迷惑な話です。 その、名前のおかげで何度クラスメイトからからかわれた事か・・・ まあ、今となってはどうでも良い話なんですが。 さて、話を本題に戻して 楓がいつも肌身離さず大切に持って居る物とは 4年前に、亡くなった祖父が大事にしていた念珠で 形見の品として受け取った物である。 楓も形見の品と言うことで大事にして居ると言うことも 有ると思うけれどそれ以上に幼い頃に祖父から聞いた話が 頭の中に残っていると言うのも有る。 幼き日の回想 その日は、8月も終わると言うのにまだ残暑が厳しく アブラゼミもうるさく鳴いていた日の事です。 祖父が庭で遊んでいる楓を呼びました。 祖父は、縁台の上に腰掛けて楓にこう言いました。 祖父「楓、これから言うことを良く聞くんだよ」 楓「うん分かった」 楓は、目を丸くして大きな声で答えました。 そして、祖父は静かに語り始めました。 祖父「じいちゃんがいつも持って居るこの念珠は代々受け継がれて きた物で何でも願い事を叶えてくれる物なんだよ」 楓「本当!本当に何でも叶えてくれるの?」 祖父「そうだよ、でもね。」 楓「でもね?」 楓は不思議そうに祖父の顔を見つめました。 祖父「でも、その願いを叶えるためには努力も必要なんだよ。」 楓「えっ~努力するの嫌だぁ」 と楓はだだをこね始めました。 祖父「この念珠はね。努力する人を見ていてその人の願いを叶えて くれる物なんだよ。」 楓「ふ~んそうなんだ」 祖父「だからね、楓も努力はしょうね」 楓「うん、分かった」 楓は、そんな幼い頃の事を思い出していた。 そんな祖父が亡くなり早いもので4年が経った。 今の所、まだ何も願いは叶っていない・・・・ それは、楓が努力して居ないかも知れないけれど。 その願いは何時か叶う日が来るだろう・・・ そんな、なんでも無い普通の物語。 その願いが叶う話はまたの機会にお話したいと思います。 以上終わり。 。
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