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次の日、木曜日。 俺は敗者復活戦を図るため、友佳の席へと向かった。 「おはよっす」 そんな俺に向かって、軽快に話しかけてきた野郎がいる。 「おっす」 俺も返す。この男は俺の友達、そうだな、ここでは仮に鮎苦谷川(あいくるしだにがわ)天使(エンジェル)とでも呼ぼう。ちなみに鮎苦谷川が苗字、天使は名前ね。 「おい、天使(エンジェル)は女の名前じゃねえか」 天使(仮)が即座に突っ込む! 「突っ込むとこが違うだろっ!」 俺は天使(仮)のそれよりさらに速いツッコミをたたきつける! これだ……! これだよ! 俺が求めてたのは! ありがとう天使。まさに神の使いだ。 「相変わらずおまえは馬鹿だな」 「で、何か用か」 俺は天使の暴言が聞こえなかったかのように言った。ちなみにこの男、身長190を超える大男で筋骨隆々、もうちょっとでボディビルでもやりかねん体つきのむさい男である。メンズビームを頭から出せるようになる日も近いだろう。そんな男が天使とか。笑えるにもほどがあるぜ! あははははは 「相変わらず馬鹿全開だな。お笑い大好き男」 天使(仮)は俺の肩を軽くはたいて言った。 「お笑い好きじゃねーよ」 「なわけあるか」 鼻で笑われた。 「俺はちょっと友佳に話があるからおまえと話す時間がないんだ、まじめな話」 マジでまじめな話なんだぜ。 「ほう。少しでも接点のある女子から攻めていく戦法だな。確かに、今まで話したこともない女子に当たるより、砕ける率も低いだろう。リア充への一歩を歩みだしたわけだな」 「相変わらず馬鹿丸出しだな、筋肉天使(マッチョエンジェル)」 「俺の上腕三頭筋に何か用か」 「そんなものに用はまったくない」 しかも三頭筋て。二頭筋じゃないのならどこの筋肉なんだ。 「上腕三頭筋は骨を挟んで上腕二頭筋の反対側に位置する筋肉だな。上腕二頭筋は腕を曲げるときに使う筋肉だが、上腕三頭筋は腕を伸ばす時に使う筋肉だ。起始部は肩甲骨及び上腕骨橈骨神経溝上の内側と外側。この三頭が尺骨肘頭で一つになって付着している。上腕二頭筋より太い筋肉だから、上腕二頭筋より三頭筋を鍛えた方が腕は太くなるんだなこれが。効果的なトレーニング法はやはりベンチディップだろうか。腕立て伏せの真逆みたいな運動だが、これは適当な高さのベンチがあれば特別な道具が要らないのでお勧めだ。まず腕を肩幅に開いて」
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