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「失礼します」
助かってないかもしれない。あのゴーグルメイドさんだ。反射的に身をすくませる俺。
最初会った時は目隠しされたせいでじっくり見る暇がなかったので、今ようやくメイドさんの容姿を観察する余裕ができた。
身長は俺と同じか、ちょっとだけ高いくらい。髪の毛は見事な栗毛で、ゆるくウェーブしたセミロング。目はごついゴーグルで隠れていて見えないが、鼻や口などの見えているパーツから判断するに、美人であることは間違いないだろう。ちょっと好きになれたかも。
「侵入者の拘束が解けています」
メイドさんが俺に迫る。いや、侵入者じゃないです。一応あなたの案内でここまで来ました。
「この人は友佳ちゃんのアシスタントだよ」
博士がメイドさんを制する。やっぱこのメイドさん好きになれない。それと、俺はアシスタントじゃない。
「よし、会議を始めよう」
博士がようやく着席し、メイドさんは傍らに立つ。
え、俺は普通に仲間扱いなのか。
「さて、ブラックゴッドが次に出してくる新兵器は、これだ」
博士がポケットからなにかを取り出し、机の上に置く。鈍い金色に輝く、五角形の機械だ。サイズは手のひらより少し大きいくらい。
それも気になるが、もっと気になる単語があった。
「ブラックゴッドって、敵組織か?」
「そう。敵であり、雇い主でもある」
ん? 意味がわからない。
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