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友佳が説明を始める。
「ブラックゴッドという組織がある。これは地球とは別の惑星が発祥の宇宙規模の組織で、宇宙全体を支配下に置こうとする悪の組織なの」
「へえ」
ちょっと待て。それって、宇宙人が存在するってことじゃねえか。セチやってる人に教えるべきかな。WOW信号も本物だったのかも。
ちょっと混乱してる俺をほったらかしにして、友佳は話を続ける。
「もちろん地球にも魔の手が伸びてきて、ブラックゴッド地球支店ができた」
支店って。支部じゃないのかよ。
「だけど、その地球支店長は地球偵察の際に立ち寄った恵那峡遊園地が気に入って、地球を侵略する気が失せてしまった」
おい、やけにローカルな遊園地に行かれたんだなその支店長とやら。千葉ネズミランドみたいな有名どころに行けばいいのに。
「悩みに悩んだ支店長は、ブラックゴッド憲章の抜け穴を使う事にした。それは第三章の、えーと。確か第三十四条で、『もし、活動中に正義を名乗るヒーロー若しくはヒロインが現れ活動を阻害した場合は、活動要員及びその上司に減給、降格、その他の罰則を与える事は、これを行ってはならない』」
変なことに気をまわしすぎ! 何考えてんのブラックゴッド。特撮の見すぎだろ。
「だからわたしは支店長に雇われ、迫りくるブラックゴッドに立ち向かう戦闘ヒロインの役をしている、と。そういうわけなのだ」
「どこで支店長と知り合ったんだ?」
「とあるSNS」
「え、おまえSNSやってるの? ユーザーネーム教えて」
「いいよ」
俺は携帯を取り出し、SNSへ飛ぶ。友佳のニックネーム「ゆか(じゅうにがつ)」を検索し、見つけると友達申請した。(じゅうにがつ)ってなんだろう? 半年くらい暦と差があるけど。
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