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その後俺は夕飯を買うためにコンビニに寄り、本屋などを回ってうろうろしていた。
回想終了。
目を開ける俺。
なんだこのファンタジー空間。
「悪を塵へと還す聖なる力の剣、シャクティソード!」
セーラー服の少女が言いながら、ポケットから鞘付きのナイフを取り出す。なんかやけに物騒な武器だ。コンバットナイフというのだろうか、かなりごついナイフである。
鞘を投げ捨てると、ナイフの刃からバチバチと火花が散り始めた。
襲いかかる戦闘員を袈裟切りにする!
「ぎゃあああ!」
やたら機械的な叫び声をあげ、戦闘員が吹き飛ぶ。切られたところは傷つかず、火花が飛んだだけだ。まるで特撮の演出のように。
残る二人の戦闘員も同じように特撮調にふっ飛ばされた。戦闘員たちは敗走を始める。
住宅街を、商店街方面に走り去っていく黒タイツ三人。奇妙だ。
「古今東西、悪の栄えたためしはないわ!」
セーラー服の少女が勝ち誇ったように言う。
少女が近付いてくる。夕闇に黒髪をなびかせながら。
「おまえ、まだうろついてたのか」
俺は数十秒の後、かろうじて声を出すことに成功した。
「おまえこそ何やってんだよ、友佳」
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