プロローグ

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この世の中には、変人というものがたくさんいる。例えば、道を歩いているおっさん。ただのおっさんに見えても、実は宇宙人だったりするかもしれないのだ。いや、実際宇宙人だった。 まあ、宇宙人と言っても見た目は人間と変わらない。ただのくたびれたおっさんだった。別に変な行動をしていたわけでもない。 さあ、ここで君たちは疑問に思うだろう。なぜ俺はそいつが宇宙人だとわかったのか? 少々説明が面倒なのだが、俺にはそういう能力があるのだ。 他人を見ると、そいつの持っている「肩書き」が分かってしまう──。そんな能力。 正確に言えば能力、というよりカンの一種なのかもしれない。その人物の持っている雰囲気や言動の端々からそいつの特徴を無意識に見つけ、職業や役割に結びつけているのではないかな。 実際、小さい頃はこの能力もたいしたことはなく、おおまかな職業が分かる程度だった。成長するにつれ細かい業種などの知識を身につけると、それに合わせて分かる範囲も拡大した。それに、自分が名前を聞いたことのない職業については分からないので、やっぱりカンの一種なんだろう。
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