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体育館で入学式をやっている時からおかしいとは思っていたのだ。
ちらちらと「宇宙人」やら「未来人」やら、おかしな肩書きが見えてはいたのだ。
一対一なら間違えたことはないが、俺の能力は人がたくさんいるところでは精度が落ちる。おそらく、ひとりひとりの特徴に集中できないせいだろうな。だから、俺は多分間違いなんだろうと思っていた。
だが、間違ってなどいなかったのである。「退魔師」の肩書きを持つ担任教師に連れられて入ったクラスでは、怒涛の変人ラッシュが待っていた。
有名所の「宇宙人」「未来人」「超能力者」、ややマイナーな「異世界人」「アンドロイド」、さらに「過去人」「地底人」「反地球人」などというマイナーな肩書きのやつ、果てには「肩書きなし」までいらっしゃる始末。
「肩書きなし」なんて初めて見た。一般人は俺だけか。いや、俺も一般人とは言いがたいけれど。
何順なのか分からない座席表に従って俺達は着席し、先生の軽い挨拶の後、恒例儀式の自己紹介が始まる。
もちろん変な肩書きを発表するやつはいない。俺も、極力平静を装って自己紹介を済ませた。
内心ビクビクしてたけどな。宇宙人のおっさんはそんなに悪いやつじゃなかったが、他の変人たちもそうであるとは限らない。人間は平常を求めるものであり、異常を嫌うのだ。
先生の話が終わり、休憩時間になった。俺は改めて周りを見回す。
前の席の女子は「未来人」で、右隣の女子は「肩書きなし」、左隣の男は「地底人」、後ろの男は「主人公」……。主人公? なんだそりゃ。なんの主人公なんだよ。
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