此の門を潜る者、戻る事望むなかれ

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「変わった子だな……。」  男は肩をすくめてため息をついてみせた。 「俺もどっちかといえば主犯側なのに、仲良くしようと初っぱなから思う奴なんか、きっとお前ぐらいだよ。」 「まぁ、そうだよねー。私もおかしいと思うもん。」  と、彼女はあっけらかんとして言ってみせた。 「ところで先生、先生の名前って何て言うの?」 「俺か? 俺は暁絶。君の名前は?」  そう男が返したことに、驚きながら、すぐにため息をつきながら 「私は羽深。七月羽深。羽深って読んでくれたら嬉しいな。それより先生、自分の生徒の名前くらい、覚えてこないとダメだよぉ。」
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