此の門を潜る者、戻る事望むなかれ

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 総敷地がおおよそドーム数個分はゆうにあるであろう広大な島。  回りは綺麗な海に囲まれ、自然豊かにもかかわらず、ライフラインもしっかり整っており、危険な野生生物もいない。  そんな中をこれから数人で過ごせて、かつ食料や娯楽道具も、贅沢さえ言わなければ用意してもらえる。  ここだけを見れば、人々が羨む快適な場所にもなり得たのだろう。  ただ、これには一点だけ大きな問題があった  それは、誰しもがここに望んで連れてこられたわけではないこと。  つまり、これから彼の会う教え子達は、誰一人自分の意思で来ているわけではない、かわいそうな迷い子なのだ。
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