此の門を潜る者、戻る事望むなかれ

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 男が、今日から教鞭をふるう教室に入った時、既に数人の生徒が座っていた。  ただ、授業を真面目に受けに来たのではないことは、男にとっても想像に難くなかった。  今日から教え子になるこの子達は、ただ説明を欲しているだけなのだ。  それは、この場所が出来るにあたって、男の上がそういうシナリオを書いたから。 「さて、皆おはよう。まだ若干名来ていないものもいるようだが、気にせず始めよう。ここでは授業を受けるも受けないも、名目上は自由だからな。」
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