此の門を潜る者、戻る事望むなかれ

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「そ、そんな無茶苦茶なことが許されるんですか! 人権だってあるし、こんなことをして諸外国が黙っているわけ……。」 「それが現に通っているから、皆がここにいるんだ。勿論君がいった通り、人権というものはあり、それは憲法として認められている。でもな、それでも実行できたんだよ。国はな。種を明かせば、まず君達の親を説得した。やり方は様々だろうが、そこは国がやったことで預かり知った所ではない。そして親が同意した以上、残りは本人たちの意志による。けどな、そんなの、閉じ込めてさえしまえば、同意したものとして扱えるんだよ。本人がいない以上、本人が望んだと言い通せば、誰にも真相はわからない。」  10人中10人が、そんな無茶苦茶なことを、と思うであろう理論。  当然、ここにいる皆が……男を含め、そう思ってるだろう。 「そ、そんな無茶苦茶な!」  その、当然の思いに、間髪いれずに 「それだけ政府が本気だということだ。これは苦肉の策、またばれたら外交問題に関わる。つまり、ここのことを意地でも隠しとおそうとするだろう。」
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