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男は、チャイムを夕飯時に流すから、それまでの解散を指示した。
当たり前だが、男だっていきなり拉致されたあげく、ここでの生活を強要され、はいそうですかと納得出来るとは思っていない。
勿論、納得してようと、起こってしまっている現実に対してそこに意味等ないのだが、そこまで割りきれる人などいないだろう。
だから、男はこれ以上話を急ぐ必要はないと考えての指示だった。
「君は、このままここで座っているのかい?」
その指示がり、ほぼ皆が部屋から立ち去った中、一人だけ残っている子に、男は話しかけた。
「うん。勿論ショックがないかっていったらあるけど、私はあまり深く考えてないことにしたから。」
男にとってその割りきりかたは、出来ればしてほしくないものだった。
「私、ばかだからさ。考えたって仕方がない。だから、無駄に考えるくらいなら、その間に先生と仲良くなりたいなぁって、そう思うから。」
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