最後のサンドイッチ

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終末期の実習。 終末期とはターミナル(末期)の患者さんのこと。 川口三郎さん(仮名) 末期ガンの患者さんでした。 ベットから動くことができず、食事もほとんど摂れなくなっていました。 早数名の学生が川口さんを受け持ち、私が何人目の学生かなぁというくらいでした。 清拭や体位交換、食事介助をメインにして、あとは川口さんの話し相手です。 ご家族も面会にほとんど来ることがなく、残された命をひたすら淡々と過ごしていく川口さんに、何かできたらなぁと思いながら日々看護をしていました。 今日は手浴、明日は足浴、明後日は洗髪…と川口さんに気持ち良く過ごして欲しいと思っていました。 日に日に弱り声が出なくなっていくのに、私がお部屋に入るとニッコリ笑って迎えてくれる川口さん。食事介助をすると、ゆっくりと口を開けて応えてくれる。病棟の看護師に、川口さんの様子や観察したことを報告すると、川口さんはいつ急変してもおかしくないくらい状態が悪いといわれた。私がいない夜間帯は、全く意識がないくらいになると。それだけ学生が来ることを楽しみにしているのだと病棟看護師に言われ、一層川口さんに対して笑顔でいたいと感じた。
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