自分の分身

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二人はニコニコしながら立っていた。 牡丹と同じ位の年齢と背丈の女の子が、いましがた牡丹が見つめていた空席を指さし、話しかけてきた 『隣、座ってもいい?』 その笑顔に圧倒されて返事を返せずにいると、 とても優しそうなお母さんが、 『ごめんね、騒がしくて。一緒に遊んであげてくれるかな?』 牡丹は黙って頭を縦にふった。 『ありがとう!』 女の子の表情は明るくなり、えくぼ二つ笑顔がこぼれた。 女の子はブランコに座るとこぎはじめたが、牡丹がじっとしてるのを見て、不思議そうな顔で 『こがないの?』 ときいてきた。 『一緒にこごうよ!』 牡丹は声を出さずに女の子に向かってニッコリ笑うと、やっとブランコをこぎはじめたのだった。 『どっちが高くこげるか競争しよう!』 『うん!』 まるで、アルプスの少女ハイジ。 スカートからパンツ見えようがおかまいなし。
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