自分の分身

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『あーした天気にしておくれー!!♪』 女の子はそう歌うと、いきなり自分の右足を勢いよく前に突き出した。 すると、はいていたサンダルが勢いよく彼女のつま先を放れて飛び、数メートル先の地面に表向きに落ちた。 『やったー!晴れだぁぁ!!』 『ね、あなたもやってみて!』 『うん!』 なんだか気恥ずかしい感じがしたけれど、同じことを自分もやってみたかった。 『あーした天気にしておくれー!』 牡丹も右足を前に突き出した。地面に落ちたサンダルは裏返しになった。 『あれー?雨だって!』 『ええーい。どっちなんだー?!』 女の子がもう片方の足を前に突き出すと、 サンダルは今度は裏でも表でもなく横向きに着地。 『曇りみたいだねぇ!』 空はこんなに青いのに、明日は曇りかぁ。
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