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小学校に上がる前の春休み。
入学に間に合う様にと引っ越しをして来たばかりで、友達もいなかった私は、お母さんに連れられて、公園に来ていた。
その頃の私は引っ込み思案で、遊んでいる子達の中にも入る事も出来ずに、みんなを眺めていた。
お母さんは、知り合いを作るべく奮闘中で、他のお母さん達と話しに夢中だった。
…つまらないな。
一人で家に帰る訳にもいかないし、ぼんやりしていた。
「ごめん、そのボール取って!」
その声に足元を見ると、サッカーボールが転がっていた。
「あ、はい…」
しゃがんでボールを拾い上げ、声をかけて来た男の子に向かって軽く投げて渡した。
「ありがとう!」
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