キミとの出会い

3/9
881人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
人懐っこい笑顔でお礼を言う男の子に、つられて笑顔を返していた。 「…家近くなの?」 「あ、うん。引っ越して来たばっかりなんだけど…」 「そーなんだ。僕の家も近いんだ。」 「春斗~!ボールまだ~?」 一緒に遊んでいた男の子達に呼ばれて、振り向くと、持っていたボールをそっちに投げた。 「ごめ~ん!」 まだ戻る気が無いのか、またこっちを見た。 「僕、香上 春斗。また会えたら遊ぼうね!」 「あ、うん…。私、早川 あずみ…」 おずおずと名乗ると 「あずみちゃんだね!じゃあまたね!」 確認するみたいに私の名前を呼んで、友達の元に走って行ってしまった。 「春斗くん…」 残された私は、一人、彼の名前を呟いた。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!