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次に彼に会ったのは小学校の入学式の日だった。
緊張して、周りをみる余裕もなくて、誰も知ってる友達もいない教室。
式の前の待ち時間。
周りの子は友達と楽しそうに喋ってる。
やっぱり、引っ越したくなかったな…。
友達と別れるのが凄く寂しかった。
みんなと同じ小学校に行きたかったな…。
「あれ?あずみちゃん?」
不意に名前を呼ばれて顔を上げると、あの公園で会った男の子が驚いた顔をして立っていた。
「あっ!…」
「やっぱりあずみちゃんだ!春斗だよ。覚えてる?」
「うん。」
同じ年だったんだ…。
「はーい!席に戻ってね」
先生の声に会話が中断される。
「あ、じゃあまた後でね。」
そう言って、自分の席に戻って行った。
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