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―――。
入学して1ヶ月。
ざわめく教室。
帰りの会も済んで帰るだけ。
みんなはそれぞれ友達と帰るみたいで楽しそうに話してる。
私はまだ特定の友達を作る事が出来ないでいた。
最初の頃は方向が同じ子達と集団で帰っていたのだけど、今はそれぞれ下校になった。
ランドセルを背負って、荷物を持って教室を出る。
「あ、あずみちゃんバイバイ」
同じクラスの時々話しをする愛美ちゃんが声をかけてくれた。
「バイバイ」
挨拶を返して、下駄箱で靴を履き変えて、歩き出す。
「あれ?あずみちゃん一人で帰るの?」
後ろからやって来た春斗くんに声をかけられた。
「あ、うん。」
「じゃあ、一緒に帰ろ!」
あの日から、春斗と一緒に帰る事になった。
もちろん、私にも女の子の友達も出来て一人でいる事も無くなったけど、春斗はいつも私の事を気にかけてくれていて、会えば登下校は一緒にしていた。
。
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