第二章

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「あいつは規格外なんだ。デカイ物を小さくする魔法くらい造りそうだ」 ため息と共に呟く言葉には覇気がない。 「ギャハハ。言えてる!!」 赤いローブが耳障りな笑い声で騒ぐ。 「うるさいですよ、炎帝。それより全帝は来てないんですか?」 「全帝なら依頼を受けているからいねぇぞ」 「ふぉっふぉっふぉっ。このギルドの最高戦力二人が欠席するなんてのぉ。儂は帰ってもいいか?」 茶色いローブを着た、口調から老人と推測できる男はけだるそうに言う。 「ダメですよ。それに闇ちゃんはまだ参加させるわけにはいかいから仕方ないんです」 水帝はジトっと睨む。そんな水帝を見て、苦笑いしながら冗談じゃわい、と土帝は言った。 「はぁー。そろそろ始めるか。“黒上穢”。奴についての会議を」 超越者、黒上穢。彼が行方不明になって今もなお、未だに捜索されていた。
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