329人が本棚に入れています
本棚に追加
フェルがギルドに来てから約二年の歳月が経っていた。
相も変わらずボロボロのローブに包まり、眠りに就いている霧夜。彼の傍で同じように丸くなり眠っているフェル。
ペットは飼い主に似る、そんなことわざのように一人と一匹は惰眠を貪る。
そしていつものようにドアがどんどんっと叩かれ叫び声がした。
「霧夜ァーー!!朝だ。起きろォーー!!」
マスターの叫び。これが彼等の一日の始まりを告げる目覚ましである。
起きる時間は相も変わらず、とはいかず日に日に起きる時間が早くなっていた。
この二年間で半日以上早く起こすことが出来るようになっていた。
今の時刻は大体8時前後。漸く、マスターの念願だった規則正しい生活を霧夜に送らせれるようになった。
「……ふぁ~」
霧夜はベットから降り、大きく伸びをする。この二年で彼も背が延び、今では150cm程になっていた。
最初のコメントを投稿しよう!