第三章

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フェルがギルドに来てから約二年の歳月が経っていた。 相も変わらずボロボロのローブに包まり、眠りに就いている霧夜。彼の傍で同じように丸くなり眠っているフェル。 ペットは飼い主に似る、そんなことわざのように一人と一匹は惰眠を貪る。 そしていつものようにドアがどんどんっと叩かれ叫び声がした。 「霧夜ァーー!!朝だ。起きろォーー!!」 マスターの叫び。これが彼等の一日の始まりを告げる目覚ましである。 起きる時間は相も変わらず、とはいかず日に日に起きる時間が早くなっていた。 この二年間で半日以上早く起こすことが出来るようになっていた。 今の時刻は大体8時前後。漸く、マスターの念願だった規則正しい生活を霧夜に送らせれるようになった。 「……ふぁ~」 霧夜はベットから降り、大きく伸びをする。この二年で彼も背が延び、今では150cm程になっていた。
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