第三章

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腰まであるオレンジの髪を一つに束ね、いつものローブと仮面を被る。 まだ寝ているフェルを抱っこして部屋を出た。 「……おはよう」 「おはよう、霧夜。だが今度からはオレに起こされずに起きろ」 笑顔で迎えてくれたマスターだが、目が笑っていなかった。 「……善処する」 ……… …… … 二人は一階に行き、いつものようにカウンターに向かうと見慣れない白髪の少年がいた。 右に泣き黒子がある少年はこちらに気付いたのかニコッと笑い笑顔を振りまく。女だったなら誰でも惚れてしまいそうなくらい綺麗な笑顔だった。 「おはよう、霧夜」 「……誰?」 「ちょっ酷い。俺だよ俺。光帝だよ」 ああ、と納得したように頷き、ポンと手を叩いた。 「光輝、霧夜とは素顔で会うのは初めてだから仕方がねぇ」 「でも母さん。何度も光帝として会ってるんだから声でわかってほしいだろ」 少し膨れっ面になり言った。
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