第二問

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暫く教室で胡座(あぐら)をかきながらクラスメイトを待っていると、廊下から足音が聴こえる。 足音が軽い。小柄な奴だろうな。 教室に入って来たのは、去年同じクラスだった木下秀吉だ。 時代外れな翁言葉で話す変わり者だ。 「むっ、ワシが一番乗りではないのじゃな、っておぬし、山田ではないか!?どうしてFクラスに居るのじゃ!?」 木下は、俺が何でFクラスにいるのか疑問な様子だ。 俺はその訳を話した。 「ふむ、成る程。じゃあ、山田もワシらバカ仲間と共にに過ごせるのじゃな」 この木下秀吉は、何故か二卵性双生児の姉ととてもよく似ているけど、れっきとした男だ。 木下は、卓越した演技力を持つ演劇部のホープだ。 しかも、他人の声や仕草を完璧に真似することができる優れた特技を持っている男だ。 でも、演劇に熱中し過ぎて勉強が疎かになった演劇バカでもある。 男子用制服を着ているにも関わらず、女子のような見た目だから、男子によくモテるんだ。 特に仕草が女性っぽい。 去年は何度も男子に告白されていたっけな。 肩までかかる髪を短くして男らしい髪型にすれば良いのにな。
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