Muder Game

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その日、僕は彼女に振られたショックを紛らわそうと雪山にスキーをしに行っていた。 滑っていると彼女との色んな記憶が全て吹き飛び気分爽快! もう、事件でもなんでもどんと来いとかいうよく分かんない心境でもあったが、ショックから立ち直る事はできた。 なのに。 おかしいよ、これ。 なんで、人が死んでいるんだろう。 いや、確かに事件でもなんでもこいとか思っていたけど、まさか本当にやってくるとは思わないよ! 「あぅ……」 なんで、床に赤いものが一杯、広がっているんだろう。 「う……うあ」 今にも叫びだしたい衝動にかられ、でもなんとか我慢しようとする。 必死に口を押さえた。 だけど、横でビチャビチャと不快な音がする。 涙目になりながらそっちを見ると、僕と同じ年くらいの女性が盛大に嘔吐し、そしてその汚物の上にドサリと倒れこむ所だった。 ここから幕が開ける。 コンティニューもリセットも会話ログもなにもない、人の命を地面に落ちた雪のように一瞬で奪ってしまう、冷酷な殺人ゲームが。
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