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『けーとっ!あんね、昨日ね…』
僕の恋人の裕翔くんの楽屋に入ってからの第一声が、これ。
入ってすぐのソファーに座ってる僕に挨拶は?
『やっべぇ…知念から黒いオーラ出てる…(小声)』
『裕翔ドンマイ(小声)』
ちび2人うるさい。
僕が睨むと2人は僕に背を向けてケータイを弄りだした。
『やっぱ?!さすが圭人っ♪俺も同じこと考えてたっ!』
ゆーうとくん。
…僕、キレちゃうよ??
いつもみんなに愛想振りまいて僕にばっか嫉妬させちゃって。
僕だって…
「やぁぶちゃんっ♥」
僕は鏡の前に座って髪を整えていた薮ちゃんの膝に無理矢理座った。
『わっ!!なんだよ!今髪やってんだけど』
「じゃぁ僕のもやって?」
『いいけど…』
「やったぁ!!」
チラッと横目で裕翔くんを見るとうるうると目に涙を浮かべながら僕をじーっと見ていた。
僕より圭人を優先した裕翔くんがいけないのに。
怒ってるはずなのに涙目でこっちを見る裕翔くんが可愛くて仕方ない。
『ちぃ…』
小さい声で僕を呼んだ裕翔くん。
聞こえないふり、聞こえないふり!
『裕翔となんかあったの?』
「なんもないよ?ただ…“僕は薮ちゃんが好きなだけ”」
『でも裕翔が…』
「もぉ薮ちゃん!!裕翔くんはいいから僕のこと見てよぉ」
僕は裕翔くんに見せつけるように座り方を変えて薮ちゃんにぎゅーっと抱きついた。
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