「機械の魔人」

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「殺せ、殺すなら殺せ!」 脇目も向かず、正確に右脚の太ももを打ち抜いたのだ、殺すならとうに殺しているだろう。 しかし、そうしなかったのはそれだけの理由があることは晃も分かってはいた。 それもロクでもないことだと言う事を。 「ゴミはゴミらしく、役に立ってから死んでね♪」 歪みも知らぬ、純粋無垢なる笑顔そのものが何よりの刃にも霞んで見えた。 今や銃声も聞こえず、自分以外は死んでしまったのだろう……冬牙は結局、その場から動けず、座り込んでいた。 死ぬに死ねず、一人になり、その寂しさが彼の心を強く抉る。 (俺は何をしているんだ……晃さんが命を捨てる覚悟で俺を逃がそうとしたのに) 辺り一面、瓦礫と化した屋内が今の彼の心情を物語っているよう。 ただ黒く染まった地面を見つめるしか、今の彼にはする事がなかった。 そうしていると、ふと可愛らしい女の子の声だろうか。 遊んでと言わんばかりの、幼い子供の陽気さが伝わってくる口調。 「はいは~い!廃人の皆、生きてるかな♪」 冬牙はその可愛らしい声に引き寄せられるように、そっと物陰からその事態を見つめる。
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