「機械の魔人」

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「全く、お前は数少ない俺達の仲間なんだからよ。少しは気を付けろよな」 「すみません」 晃の言う、『数少ない仲間』と言うのは、そう男の事だ。 今から30年前にクルーエルウイルスという謎の病原体が、世界を席巻し、瞬く間に人類の男性の6割が犠牲になった。 何故か女性には一切感染しないが、男性には恐ろしい程の致死率を誇り、90%という類を見ない強毒性が男達に襲いかかった。 今では男そのものが、圧倒的に少ないという時代になってしまった。 「じゃ、俺達のアジトに戻るぞ」 「はい」 冬牙は晃の言うとおり、その屈強な背中を追いながら共に向かう。
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