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倒壊した建物の奥に進むと、床には地下に続くドアがあった。
晃は取っ手を引き、全開まで持ち上げると、そこには地下へ続く梯子が暗闇の中へと続く。
「暗いから、足を踏み外すなよ」
そう冬牙へ、注意を促すと地下へと続く梯子に足を掛けていく。
それに続くように冬牙も降りるのだった。
しばらくすると光が見え、そこからは無線からと思われる声が響いていた。
周囲を見渡すと、廃人街の周囲の地図が置かれている机や、無数の古めかしい無線機や機械がずらりと並ぶ。
「連れ戻したようだな」
「おうよ!ったく、こいつは目の届く所に置いておかねえと危ないからな」
「ふむ、作戦前に貴重な人員を失うのは避けなければな」
晃と相対しているのはレジスタンスのリーダー、竜也 ≪リュウヤ≫ である。
理知的で眼鏡の良く似合う彼は、今の日本政府、そして女たちに反抗するレジスタンスを指揮する立場。
彼の受けは良く、この廃人街でも人望の厚い人柄でもある。
「我らが受けた屈辱、誇り、人の尊厳、そして姓の剥奪、それは大変許しがたいことだ」
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