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見事に作戦は的中し、何ケ月もかけたこの反抗作戦も、ものの数秒で崩れ去った。
そればかりか女共に復讐するどころか、逆に滅ぼされるなどど実に皮肉ゆかしい話。
「ぐうう、このままじゃ、みんな殺されちまう」
非力さを痛感したからなのか、もしくは今の状況が想像したくない事実なのだろうか、唇を強く噛み、晃の口からは血が流れる。
「おい、冬牙!お前だけは逃げろ」
「何でですか?この状況では逃げろと言われても」
冬牙の思いは、図らずも的中したのだ。
絶対勝てない戦いだと言う事を。
やる前から勝負は見えたていた、何故なら圧倒的な物量さと兵器の性能の差があったからだ。
物量では言うまでなく、女性側。
兵器で言うならあちらは最新鋭のエネルギーライフルを主体にした装備。
こちらは30年前の実弾で、到底相手の戦闘服をも貫通出来ない。
最早、勝負にもならないが、長年の虐げられた時間がそうはさせなかった。
憎しみは時として判断をも鈍らせる。
彼はそれを切実に分かっていたからこそ、今回の戦いを素直に喜べなかった。
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