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「お前は希望なんだ!生まれなくなった男達のな!だから行け!」
時間は俺が稼ぐからと、残り少ない弾が入った銃を持ち出し、立ち上がる。
特攻覚悟、そう言わんばかりに見剣にしわを寄せ、体中に汗を滾らせていた。
「で、でも!?俺だけ……一人だけで生き残るなんて!」
今回の戦いに喜べない彼だったが、何も皆が殺されることを良しとしていた訳でない。
本当なら、ここで勝って、また皆で楽しく生きていきたかった……ただそれだけだったのだ。
だからこそ、一人だけになるのが嫌だった。
「うおおおおおお!!」
「待って下さい!!」
自らを奮い立たせるように、大きな声を張り上げ、光に向かって駆けだす晃。
それに待ってくれと、彼の背中に手を伸ばすが無情にも空を切る。
「なんで、なんで、また一人になるのか」
這いつくばるように、両手を地面に力なく着き、独りになる……また。
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