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全部今までの攻撃は、このためのフェイクに過ぎなかったという訳か。やはり…こいつ普段の人格と同じくらい、頭もキレる。頭脳は共通のようだ。なんて言ったって、普段の人格の青空は常に学年トップクラスの頭脳を持ち、運動神経も抜群の秀才ちゃんなのだから。
秀才。まるで僕とは正反対の言葉のようにも思える。しかし、僕の【平均】もある意味秀才とまではいかないが、得意不得意がなく、なんでもできるという意味では似ているのではないだろうか。できるといっても、あくまで【そこそこ】ということだが。
バカと天才は紙一重。
秀才と平均は紙一重。
といったところだろうか。まあ、そんなことはただの屁理屈に過ぎないけれど。
そんな秀才ちゃんにも穴があった。僕と同じように【呪い】を持っていた。あれはただの二重人格では――ない。
全ては数年前。実際の月日は覚えているけれども、あえてここでは言わない。僕がこの【全平均】(オールアビレージ)という名をつけた日。あの時、僕がこの目と体の全ての感覚で味わった恐怖。その時、僕は知った。いや、知らされたというべきか。僕らと同種の【ヒト】から漂うあの独特の【におい】を。
遠回しに言うとこんな感じになるが、要は僕はその人が【呪い】を持っているか持っていないかを一目で判断できるということだ。あくまでその【呪い】を使う瞬間、もしくはすでに使われている場合のみだが。さすがに内に秘めている【呪い】を判断することができない。
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