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まあ、それはさておき……。残り時間は二十分程度。まだ時間はたっぷりある。
――これは少し話をした方がいいかもな。今の僕たちは【知らなすぎる】。いや、星以外はと言うべきか。
これはゲーム否、【呪い】によって創られた昨日の世界。少なくとも僕は、これしか知らない。
このままでは危険すぎる。これは仮想空間とかいうSF染みたものではないのだ。ただの現実。現に雪丸は気絶している。そして、その場から消える訳でもなく、そこに【倒れ続けている】。これは僕の勝手な想像だが、RPGで敵がやられると大抵はお金やアイテムをくれて、敵は【消滅する】。
しかし、これはあくまで僕の考え。必ずしも正解だとは限らない。
「言ったでしょ?これは【昨日の世界】。現実なんだよ。特別なことは何も起きない。勝負に負けた人も消えないし、勝った人も何も得ない」
また【読んだ】のか。本当に便利だ。
しかし、他人の考えていることが分かるというのは、どんな感じなのだろうか。本人は【読む】という比喩を使っているが、僕にはその感覚が全く分からない。まあ……当たり前か。
「まあ、そういうことだよ。んじゃ、夜空君の言うとおり少しお話をしようか」
「ああ。そうだな……」
「あのー…ちょっといいだろうか?」
?この声は……。ふと見ると、そこには青空がいた。まあ、当たり前だが。まったく僕はさっきから何当たり前のことばかり言ってるんだと自分につっこみを入れながら、青空に返答する。
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