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さてと、聞いておかないといけないことがたくさんあるし、話を進めるか。まずは………
「星……。お前、何者なんだ?こんな…こんなことして何になるっていうんだよ。お前…何か知ってるんだろ」
これだ。今現在で最も重要なこと。【星 灯という人物が一体何者なのか】。本人は【ガイド役】と言っていたが、これはつまり星が【向こう側】であるということになる。僕が知りたいのは、【一体何故、僕たちに自分が向こう側だということが分かるセリフを吐いたのか】だ。
あの【能力】があれば、僕や青空と同じように、【何も知らないことを装えたはずだ】。
でも、それを星はしなかった。何故、この場では情報が大事になってくるはずなのに、【敵】にこうやって情報を与えることをするんだ?そして――これは何を意味するんだ?
「うん。それは今から説明するよ。ちょっと長くなるかもしれないけど、二人ともちゃんと聞いておいたほうがいいでしょ。これからの為にね」
「………」
まあ、確かに言っていること合ってる。星が何者か、それはとても大事なことだ。でも、星が【本当のことを言うとは限らない】。そう、彼女には大きな武器がある。――【思想】。自分には相手の考えが分かるが、相手には自分の考えが分からない。
やれやれ、嘘を吐くのに便利な【能力】だな。向こうは、相手の考えを知りながら話ができる。それはつまり、相手(僕と青空)の思い違いに漬け込んで、僕たちの考えと真実をずらすことが容易にできるということだ。
――同情の余地はない。
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