一章 超常と温もり

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「んじゃ、次は自己紹介でもするか。右端最前線からな。苗字は兄弟姉妹に必要無し。」 あれ?順番早くね? 普通は俺が最後じゃ… そうこう考えてる内に自己紹介が始まった。 カオル 「薫…結社[パンドラ]の生き残り……目的は結社の再建」 耳にしたことの無い会社だ。 「いきなり大物だな。……あぁ、一般家庭の連中に伝えとく。」 あれで自己紹介は終わったんだろう。ルシファー先生が口を開いた。 「世の中には、異種族の者もいれば特撮によくある悪の組織や正義のヒーローも存在する。お前らがどれだけテレビや新聞で世間を知ってもな、そんな事は絶対に知らない。世界ってのはお前らの思う以上にでかいんだ。それが国内だろうが、当事者以外は知らない事件や事象が有るわけだ。」 よく理解はできなかったが、薫さん――見た感じ女の子?だろう――が悪の組織の子供だったってのは理解した。 「よし、次だ。」 薫さんの後ろのヒーローの息子――赤いジャケットとスカーフが特徴的すぎて一瞬で何者か理解した――が立ち上がった。    ヤイト 「俺は灸!![ヴァインズ]はレッドの息子だった!!目的は親父みたいなかっこいいヒーロー!!よろしく!!」 あからさまな熱血男子……まさにレッドだな。 「薫と喧嘩すんなよ、次。」 ルシファー先生はまさか1人1人にコメント用意してるのか? 「ウチはミーネ、フェルパーだよっ♪目的は……考え中かニャ♪」 三人目なのにキャラが凄いな…疎外感感じる。シリアスどこ行ったんだ?マジで。 「天真爛漫を形にしてんな、次」 この教室は一列が4人、つまり俺の番。 マコト 「誠です。特にコレと言った事は無いですが……あ、4月1日産まれなんで長男でしょう。目的は――」 ここで俺は前へ出た。いきなりだから注目されるな。 「目的は、長男なんで、もう失いたくない家族なんで――」 「全力で全員を守り、幸せにする。」 特殊能力なんて持ってない。 正義のヒーローでも悪の組織でもない。 ただの人間だけど…。 これだけは…。 [家族を守りたい]って気持ちだけは。 最高に最強だ。
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